2021/2/15 発表。以下は抜粋。
私は西表島の知り合いの老人から、ある面白い話を聞いたことある。八重山諸島の島々の言葉の中で、波照間島の言葉だけはほかの島とは異なる系統の感覚があり、また波照間出身の方の顔も台湾本島の南東沖にある離島「蘭嶼(らんしょ)」に住むタオ族にそっくりだという。
さらに面白いことに、波照間島の 聖所である「白郎原御嶽(シサバルワー)」には既に絶滅危惧種になった「クロボウモドキ」という稀少な植物の世界唯一の純林がある。
この純林は、島の一番神聖な「ピテヌワー」(野原の御嶽)に何千年も叢生し、年3回の祭事をのぞいては、神司以外立ち入り禁止の場所だ。興味深いことに、この植物は波照間島と西表島の一部以外だと、台湾の蘭嶼に生息することが分かっている。80歳を超える老人が自分の経験論で教えてくれたことが、論文を読んで得た知識よりも肌感覚で伝わった。