島々アーティスト紹介コーナー⑥ マダガスカル
アフリカ大陸の南東、約40キロのインド洋上に浮かぶマダガスカルはマダガスカル語で「先祖の土地」という意味をもっています。日本の約1.6倍の面積をもち、世界第4位の大きさを誇る島国です。現在マダガスカル人と呼ばれる住民はアフリカ大陸系、マレー系だけでなく伝統的約18の部族がいます。ちなみに最大規模の部族は中央高地に住むメリナ族です。そしてマダガスカルには部族を超えた、全島的に通じる創造神と先祖崇拝を中心する伝統宗教が存在します。
マダガスカルの最も象徴的な楽器である「ヴァリハ(valiha)」は、竹筒を共鳴器にして、その表皮を弦にした楽器です。これと極めてよく似た形の楽器が今日でもインドネシアやフィリピンで見られます。今回はこの楽器の制作も演奏もする、マダガスカルを代表するバンド「タリカ・サミー」の元リーダーでもある、メリナ族のサミー・サモエラさんを紹介したいと思っています。実は、ヴァリハは彼の最初の楽器であり、メリナのミュージシャンとして、部族と彼自身の繋がりが最も関係の深い楽器です。さらに、サミー・サモエラさんはヴァリハ以外にも多数のマダガスカル楽器を制作し、『大海原のソングライン』劇中でもヴァリハと合わせて、様々な伝統的な音色を響かせます。
彼の話によると、音楽と楽器は国境を越えて、文化を共有する橋になれます。ちなみにサミーさんは昨年行われた石垣島ゆがふ国際映画祭でもオープニングにも参加していただきました。上映前に石垣島で八重山芸能を学ぶ学生たちとのコラボは大盛りあがりでした。彼の言った通り、マダガスカルの音色と八重山の歌や三線の間には言語や国境を越えた文化の橋が掛かりました。
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