台湾・台東市生まれ、現在沖縄在住。台湾政治大学テレビ放送学科卒業、東京造形大学大学院映画専攻修士を取得。大学期間中、『文化研究月報』、『映画鑑賞』などの刊行物に映画評論や研究文章を発表し始め、『幼獅文芸』雑誌で映画評論の書き手を担当、台北映画祭の特集文字などにも参加する。2010年ドキュメンタリー作品のデビュー作『五谷王北街から台北へ』を発表、この映画は台湾の出稼ぎタイ人労働者をテーマとした人類学映画であり、杭州アジア青年映画祭「アジアの光」青年短編コンペティション部門、北京インディペンデント映画祭などの映画祭に出品される。2013年に私的なドキュメンタリー『夜の温度』がスイス・ニヨン国際ドキュメンタリー映画祭国際コンペティションに招待され、ブエノスアイレス国際ドキュメンタリー映画祭国際コンペティション、杭州アジア青年映画祭、台北映画祭最優秀ドキュメンタリー賞にノミネートされる。2014年、河瀬直美がプロデュースを担当した、奈良国際映画祭とスイスジュネーブ芸術大学の共同映画制作プロジェクト「Grand Voyage:壮大な航海」に参加、奈良県田原村で一ヶ月滞在し、短編ドキュメンタリー『杣人』を制作する。
2015年、映画製作・配給会社「木林電影有限公司」を台湾に設立し、翌年沖縄にも事務所を構える。沖縄を拠点に、戦前からの台湾移民や日台間の歴史などをテーマに、シリーズとしてドキュメンタリー映画を制作中。「八重山台湾人」を題材にした企画『狂山之海』が2015年ベルリン国際映画祭主催の若手映画製作者向けプログラム「ベルリナーレ・タレンツ」(Berlinale Talents)のドキュメンタリー企画部門「ドック・ステーション」(Doc Station)に選ばれる。また、「西表炭鉱」を題材にした企画『緑の牢獄』がスイス・ニヨン国際ドキュメンタリー映画祭のピッチングセッションで大賞を受賞する。2016年、企画『狂山之海』の第一部『海の彼方』が台湾で劇場公開し、台北映画祭や大阪アジアン映画祭、ハワイ国際映画祭などへ選出される。日本では2017年夏に劇場公開した。
2019年、黄が発起人となって「株式会社ムーリンプロダクション」を日本に設立。プロデューサーとしての活躍が認められ、チェコ・Jihlava国際ドキュメンタリー映画祭「Emerging Producers 2020」に台湾代表として選ばれる。近年は制作者としてだけでなく、映画を伝える側としても活動を広げており、2020年開催予定の「石垣島ゆがふ国際映画祭」ではプログラムディレクターも務めている。