映画『緑の牢獄』4月上映!

日本と台湾、そして沖縄の狭間で生きた一人の軌跡

忘れ去られた人々の記憶に、いま光が当てられる

緑の牢獄メインビジュアル

 橋間良子、90歳。彼女は緑豊かなジャングルに覆われた西表島に暮らす。植民地時代の台湾から養父に島へ連れられ、人生のほとんどをこの島で過ごした。子どもたちはみな島を離れ、家の一室は島に流れ着いたアメリカ人青年に貸し与えている。彼女は不器用ながらも集落の人々や島を訪れた人と関わる。外に出ない日はずっとテレビを見て、うたた寝をする。一見ありふれた離島の老人の日常のように見える。

 

 本作ではさらに彼女の記憶へと焦点を合わせる。西表島には人知れず眠る巨大な「炭鉱」があった。半世紀以上放置された炭鉱は今では動物の住処と化している。暴力、伝染病、麻薬、かつて繁栄とともに渦巻いた負の歴史も地の底に沈んだ。良子の養父は炭鉱の親方で、労働者の斡旋や管理をしていた。彼女はいまもなお炭鉱に後ろめたさを抱いている。忘れられない記憶たちが彼女の脳裏を過ぎるーー島を出て音信不通となった子ども、炭鉱の暗い過去、父への問いかけ。希望、怒り、不安、そして後悔、その思いとともになぜ彼女はただ一人、島に残り続けるのか。現在の映像に加えて歴史アーカイブ、そして再現ドラマを交えて一つの家族の歴史を描き出す。

 

 本作は沖縄を拠点に活動する黄インイク監督が七年間の歳月を費やした渾身の一作。企画段階で既にベルリン国際映画祭、ニヨン国際ドキュメンタリー映画祭など映画祭の企画部門に入選。前作『海の彼方』に続き、台湾から八重山諸島に渡った“越境者”たちとその現在を独自の視点から描きだす。

劇場情報

映画公開を記念して臺瓏とコラボレーション!!

本作の公開を記念しまして沖縄県の台湾小籠包専門店・臺瓏(タイロン)さまとコラボレーションを行い、特別限定品「石炭まん」を開発しました。西表炭鉱の石炭をイメージした本商品は『緑の牢獄』沖縄限定の前売券をお買い求めの方についてきます。

2月19日(金)より桜坂劇場窓口ほか各地で販売予定(価格税込1,300円)

※商品引換期間は映画上映期間3月27日~4月30日の間となります。

公式サイト https://green-jail.com/