あらすじ:
沖縄石垣島の台湾移民の歴史は、1930年代、日本統治時代の台湾からの農民の集団移民に始まる。その中に、玉木家の人々もいた。
台湾から最も近い「本土」だった八重山諸島(石垣島を含む10の島々)で、88歳になる玉木玉代おばあは、100人を超す大家族に囲まれていた。そして米寿を迎えたおばあは娘や孫たちに連れられて長年の願いだった台湾への里帰りを果たす。しかし、70年の歳月がもたらした時代の変化は予想以上に大きく…。
ある台湾移民一家の3世代にわたる人生に光を当てることで、複雑な経緯を歩んできた東アジアの歴史を越え、記憶の軌跡と共に人生最後の旅を辿る。歴史に翻弄されながらも生き抜いてきた玉木家の「家族愛」にも迫り、観る者に忘れていたものを思い出させてくれる。
作品背景:
台湾から約300キロ、沖縄県八重山諸島。歴史から忘れ去れた土地と時間。そうした歴史の影に隠されながら生きて来た移民たち。
台湾の日本統治下時代に農地開拓を目的に沖縄へ渡った人々は戦時中に台湾へ強制送還される。やがて戦争は終わり、台湾は中国との政治問題を抱え、彼らの居場所は失われる。再び沖縄に戻るが、それから約30年間、沖縄は米国の統治下となった。彼らは国籍を持たない移民として生き続けた。
玉木家は3世代に渡り、こうした歴史の波に飲み込まれながら生き抜いて来た家族。88歳の玉木玉代おばあは、こどもたちに連れられ人生最後となる故郷、台湾へと向かう。
過去80年の東アジア、そこに刻まれたひとつの歴史の変遷をある家族の軌跡とともに辿る。親族が100人集まった宴席。玉木家を継ぐ若い世代の人たちと共に、忘れさられることのない記憶があたらしく刻まれる。
スタッフ
監督、プロデューサー:黄インイク
共同プロデューサー:山上徹二郎、劉蔚然
撮影:中谷駿吾
音楽:中堀海都
編集:黄インイク
サウンドミキシング:杜篤之、杜亦晴
製作:木林電影有限公司
共同製作:株式会社シグロ、Atom Cinema, Co., Ltd.
日本配給:株式会社シグロ
劇場配給・宣伝:太秦
DVD販売:株式会社マクザム