「与那国を通して世界をつなぐ展」@沖縄開催!

展示チラシ表

 昨年、与那国島をテーマにした展示会がイタリアとフランスで開催された。作者であるアヌシュ・ハムゼヒアンと ヴィットリオ・モルタロッティは3年間に渡り与那国島の言語と文化、そして日常のささやかな移り変わりを取材し た。その成果として書籍『L’Isola』、ドキュメンタリー映画『ヨナグニ~旅立ちの島~』、そして音声と写真を組み合 わせた空間美術(インスタレーション)作品「L’Isola」が完成した。

 イタリア出身で欧州に拠点を置くクリエイターが、なぜ与那国に注目したのか?

 二人はまず「少数言語の消滅」という言葉の裏に潜むものに興味を持った。与那国島はその考察に最適だと考 えるようになった。与那国の言葉「どぅなん」は日本で最も消滅の危機に瀕している言語の一つである。何度も通 いながら、日本本土や沖縄の主要な島からも文化的、言語的な距離感があることを理解した。二人は「与那国は 曇りの日も多くて、その灰色の空はスコットランドに似ている。しかし周りをよく見ると南国の植物が生い茂り、南国 特有の空気感に包まれている。そして風景では特筆すべきにいとまがない。深い青の海、自由に歩き回る馬、忘 れられたような廃屋、植物生い茂る森、両端にある2つの灯台、そして軍事基地。これらのギャップに魅了された」 と語る。

 「島」の意味である「L’Isola」は、埋葬された過去や忘れられつつある共同体の痕跡を集め、未来に託すことを 目指している。